HOME入会案内例会報告会誌紹介電子全集紹介 | 関連情報 | 著訳書目録著作データ | 参考文献リンク集玩草亭日和(ブログ)掲示板(会員限定)
 
 関連情報・資料紹介
【 福永関連本の出版などの紹介 】
○福永武彦とその時代/渡邊一民 が出版されました(2014/9/26)。4104円(税込)
  
「渡邊一民がおそらくみずからの最期を予感しながら執筆を続けたこの福永論も、戦後の少年の日から彼の魂を震撼させた文学者たちの、またそれぞれの苦闘に対する鎮魂の歌であったかもしれない」(解説「歴史の暗部とロマネスク」より)

〈戦後への出発〉から〈戦後の終わり〉まで――敗戦直後に颯爽とあらわれ、小説の新しい地平を切り開いていった作家の文学的軌跡をたどる。死の直前まで書き綴られた遺稿。解説・宇野邦一。

○代表作「死の島」(上・下巻 2分冊)が、講談社文芸文庫より出版されました。
上巻発売: 2013年2月9日 1900円(税別)
下巻発売: 2013年3月9日 1900円(税別)


○福永武彦関連の図書2冊が、2012年12月に出版されました。
1.「福永武彦を語る 2009-2012」 澪標 (2012/12/15)  
(編者)近藤 圭一、西岡 亜紀、山田 兼士、 岩津 航
(内容)読み継ぐべき21世紀の福永文学。16人の読み手による徹底討議。2009年度から2011年度まで実施された科学研究費補助金プロジェクト「昭和文学の結節点としての福永武彦 ― 古事記からヌーヴォロマンまで」におけるシンポジウムと講演、インタビューをまとめたもの。

2.「死の島からの旅―福永武彦と神話・芸術・文学 (金沢大学人間社会研究叢書) 世界思想社 (2012/12/4)
(著者)岩津 航
(内容)虚無に向かって、忘却に逆らって歌うこと。東西の神話、ベックリーンの絵画、シベリウスの音楽、ボードレールの文学などを共鳴させる福永武彦最後の長篇『死の島』。「魂の死」をめぐるこの小説を、トポスを通じて開かれた世界として読み直す。

○『福永武彦新生日記』が、2012年11月30日、新潮社より発売されました。
 小説を追い求めつつも病と格闘した日々……そして新たな執筆生活へ――。

「先日ふと1949年1月から7月迄の日記を読みかへしてみると、僕の書いたもののうちこれが一番いいものであるかもしれないと思つた。」と書き遺された「戦後日記」に続く49年、51~53年の日記。妻子と別れ死の不安のなかで新たな生の意欲を取り戻すまでの、野心と断念、現状と夢想――人生と作品を結ぶ魂の苦闘と再生の記録。(新潮社のサイトより転載)。

福永武彦戦後日記が一部公表(2010年9月5日)
 1945~47年に記した3冊の日記が、60年以上経って公開された。
 9月6日に新潮社にて「福永武彦日記」発見・発表に関して、新聞各社11社の文化部記者を招いた合同取材が行われ、池澤夏樹氏の他、日記 翻刻・注解に携わった当研究会の三坂剛氏と田口耕平氏、福永研究者の鈴木和子氏の3名が出席した。
 9月6日発売の「新潮」10月号に、1945・46・47年の福永日記の一部が公表され、来年、日記の全文が単行本として刊行される予定。
 日記が残っているのは、1945年:9/1~年末、1946年:1/3~6/9、1947年:6/18~7/31 であり、その前後や中間が散逸したという意味ではなく、この期間のみ書かれたらしいとのこと。
 1950年の年末に福永と原條あき子(本名 山下澄子)は協議離婚し、3年後、福永は岩松貞子と再婚した。澄子は池澤喬と再婚し、生まれた娘と夏樹を育て、しばらくは詩を書き続け、2003年6月に80歳で他界した。今回の日記公表に際し、池澤氏は以下のように書いている。

この三冊の日記にぼくは、若い二人の文学者の苦悩に満ちた日々を読み取り、一種の共感ないし同情を覚える。あの時期、生きることはかくも困難であった。自分の中にある才能を育てて作品化する以前にかくも多くの障害があった。平和と高度成長に支えられたぼくたちの世代にはなかなか想像しがたいことである。(「福永日記のこと」より 「新潮」10月号)

○西岡亜紀著『福永武彦論 「純粋記憶」の生成とボードレール』
東信堂 08年10月刊(2006年度お茶の水女子大学大学院に提出された博士論文をもとにした論文集)

○「原爆文学研究 7」 (有)花書院 08年12月刊
・上村周平「『死の島』の結末―ビキニ実験前の時間設定について―」
・坂口 博 「原爆文学」探査⑦ 
「中村真一郎/福永武彦/堀田善衞 『発光妖精とモスラ』」
上記2篇を所収。

○「福永武彦著作目録書影」ホームページ紹介
 福永武彦の著書・訳書の多くを、書影で紹介したホームページが出来た。作成者(関口宗久氏)よりメールで御報せいただき、早速拝見した。
 大変な力作で、福永著書・訳書の中でも稀覯本といえる著・訳書、さらに雑誌や自筆物が書影で紹介されている。写真も鮮明で見やすい。署名本が多いのも福永字体の参考になるだろう。まだ作成途中で多少の抜けはあるが、なかなか眼にする機会のない本を書影で確認できる意義は大きい。
 戦後小説本では、福永武彦は三島由紀夫に次いで安定した人気があり、熱心な愛読者(愛書家)も多いが、このHPで紹介されているレベルの著書・訳書を蒐集している者は極少数である。ぜひご覧いただきたい。
アドレス:http://ww61.tiki.ne.jp/~muneritu/

○ 新潮文庫で『忘却の河』(2007年9月1日 33刷改版)が復刊された。
 本文はポイントの大きな字で読みやすくなり、「初版後記」と池澤夏樹氏の一文(今、『忘却の河』を読む)も増補されており、75頁ばかり厚くなっている。カヴァ装幀は岡鹿之助から新潮社装幀室のものに変っている。福永自装の『冥府』元版に(色使いは異なるが)似ていなくもない。
 池澤氏の一文中に間違い(勘違い)があるのは残念だが、その旨を文庫担当編集者に連絡したところ、早速「現在売れ行き好調で(改版)第2刷まで出ていますので、第3刷より訂正いたします」との御返答をいただいた。訂正箇所はここには記さないので、第3刷が出たら各々対照してみていただきたい。
 この文庫の帯には2種類(以上)ある様子で、元々の赤帯の他に、白地に「『草の花』とならぶ著者の代表作」と入った帯があるが、『忘却の河』を「代表作」というのは少々無理があるだろう。「代表作」がどの作品かは好みにもよるだろうが『風土』と『死の島』を抜かすわけにはいくまい。ぜひとも両著の文庫での復刊を望みたい。

○千葉県在住の会員小林俊巳氏より『現代フランス短篇集(現代篇)』(1955年 河出文庫)所収の福永訳ヴァレリ・ラルボー「ローズ・ルールダン」の複写、『文藝年刊 昭和三三年版』一部複写(概観)、「群像」昭和31年7月特大号の一部複写(「文壇消息」探偵小説と福永武彦)を、金沢在住の会員宮嶌公夫氏より文学誌「イミタチオ第46号」(宮嶌氏「「慰霊歌」から『草の花』へ(その一)」掲載)を2部、岐阜県在住の会員河田忠氏より詩誌「存在 第95号」を、お贈りいただきました。心よりお礼を申し上げます。各々複写ご希望の会員は、三坂までご連絡ください。


HOME入会案内例会報告会誌紹介電子全集紹介 | 関連情報 | 著訳書目録著作データ | 参考文献リンク集玩草亭日和(ブログ)掲示板(会員限定)
Copyright 福永武彦研究会 since 1995 All Rights Reserved