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MENU | . | ![]() ◇研究会の会誌「福永武彦研究 第18号」が発行されました(2024年11月)。New! 版型:B5判・2段組、117頁、1500円(送料430円) 購入希望の方は、会誌紹介ページより申し込みください。 ![]() ・『福永武彦戦後日記』『福永武彦新生日記』書名・作家名索引 ・日記から辿る『小説 風土』執筆経緯 ・『福永武彦新生日記』について ・『戦後日記』『新生日記』と福永文学 ・福永武彦自筆日記1945 初読時の感想 ・初刊本・特製本「塔」献呈名簿 ・「青春」掲載誌「ひろば」と註釈 ・『福永武彦戦後日記』註への補足 ・「塔」とその周辺―『福永武彦戦後日記』の余白に 【作品研究】福永武彦と時間―「河」における象徴に焦点を当てて― 【エッセイ・随筆】 ・福永武彦の作品における時間の停止および死生観の分析 ・その言葉を、他の多くの言葉と共に ・『風土』と奏鳴曲「月光」に関する思い出など 【資料紹介】全集未収録の小文の発見 *画像クリックで表紙・目次の拡大画像にリンクします。 ◇第213回例会案内 New! 日時:2025年9月28日(日)13時〜17時 Zoom開催 内容:『ぜんぶ本の話』池澤夏樹・池澤春菜対談(毎日新聞出版 2020.6) ※底本は、同書文庫本(毎日文庫 2024.11)とします。 例会には、どなたでも参加できます。 オンライン例会の場合の参加費は無料です。 オンライン例会初参加を御希望の方は、お報せください。手順をお伝えします。 問い合わせ先:福永武彦研究会 三坂 剛 メール: ![]() ◇第212回例会(2025.7.27開催)報告を掲載しました。New! ◇書影付き著作データに「福永武彦詩集」写真版2部本を追加しました。 ◇福永武彦研究会 令和7年(2025年)度の会員(2026年5月末まで)を募集中です。 年内途中いつでも入会可です(途中入会割引あり) 入会についての資格は特になく、福永武彦の人と作品に興味をお持ちであれば、どなたにも開かれています。数々の会員特典があります。詳細案内 ◇「福永武彦資料の価格推移一覧1970~2020」(PDFファイル)公開 New! 研究会会員が手元の古書目録に拠って作成した資料を会員限定で公開しました。 稀覯本、署名本、そして自筆資料(草稿、手紙、日記、絵画、色紙など)を中心とする905点の福永武彦関連古書目録資料(397点については資料画像付)が掲載されています。 ◇研究会のX(旧ツイッター)アカウントを開設しました。 アドレス:https://twitter.com/fukunaga_ken 例会告知、福永関連情報の発信ほか、作品への感想などで一般愛読者とも繋がっていくことを目的とします。 ◇新刊『忘れがたき日々、いま一度、語りたきこと』(2023)/山崎剛太郎 New! 本書は、詩人、小説家、翻訳家で、700本以上のフランス映画の字幕翻訳を手がけ(フランス政府より芸術文化勲章を受勲)、2021年に103歳の生涯を閉じた山崎さんの文学と映画についての評論、随筆他を集成したもので、福永武彦研究会会員の渡邊啓史氏が山崎さんの依頼を受けて全体の編集を行っています。 字幕翻訳の裏話が興味深く、文学関連では、とくに親しかった中村真一郎との交友や堀辰雄、立原道造との思い出などとともに2003年10月に開催された福永武彦研究会の特別例会講演記録「亡き友 福永武彦と私の思い出」も収録されています。 ![]() ◇2023年3月30日に、池澤夏樹さんの注目作『また会う日まで』が刊行されました。 福永武彦の出生の背景についても明らかにされています。 ![]() ◇池澤夏樹さんと春菜さんの父娘対談『ぜんぶ本の話』(毎日新聞出版)が刊行されました。 「読書家三代 父たちの本」と題して、福永武彦についても1章が割かれています。一読をお薦めします。 また、池澤夏樹さんが、福永の伯父秋吉利雄を主人公とする小説を、8月より朝日新聞に連載されます。実に興味深いです。 ![]() ◇福永武彦電子全集 全20巻(小学館)の紹介ページを開設しました。 最終第20巻は、2020年6月に刊行されました。 ◇書影付き著作データ・小説に「小説風土」(完全版)(決定版)(新潮文庫版)を追加しました。 ◇池澤夏樹氏に当研究会の顧問に就任していただくことになりました。 cafe impala 池澤夏樹氏の公式サイト ◇福永武彦生誕100年特別企画の第1回として池澤夏樹氏講演会「福永武彦 人と文学」が、2017年6月11日(日)に神田神保町東京堂ホールにて開催されました。予約で満席となる盛況でした。日本経済新聞(4月29日朝刊)文化欄に福永武彦が大きく取り上げられ、池澤夏樹氏、当会会長のコメント記事とともに講演会についても紹介されました。 ![]() ![]() ◇福永武彦「廃市」が復刊されました! 小学館(P+D BOOKS) ![]() ◇福永武彦「加田怜太郎 作品集」が復刊されました! 小学館(P+D BOOKS) ![]() ◇福永武彦「夢見る少年の昼と夜」が復刊されました! 小学館(P+D BOOKS) ![]() ◇福永武彦「夜の三部作」が復刊されました! 小学館(P+D BOOKS) 池澤夏樹氏が解説を特別寄稿。池澤夏樹氏による解説文が掲載されています。 ![]() ◇福永武彦「風土」が復刊されました! 小学館(P+D BOOKS) 池澤夏樹氏が解説を特別寄稿。池澤夏樹氏による解説文が掲載されています。 ![]() ◇福永武彦「海市」が復刊されました! 小学館(P+D BOOKS) 池澤夏樹氏が解説を特別寄稿。池澤夏樹氏による解説文が掲載されています。 ![]() ◇福永武彦「未来都市」が刊行されました(2016年12月) ・36年余り永きに亘り眠っていた幻の大型絵本が、装いも新たに今、甦みがえりました。 ![]() ◇福永武彦関連 新刊2点(2015/3/26) ・堀辰雄/福永武彦/中村真一郎(池澤夏樹編集 日本文学全集17) 福永武彦:「深淵」「世界の終り」「廃市」 堀辰雄:「かげろうの日記」「ほととぎす」 中村真一郎:「雲のゆき来」を収録 ![]() ・「草の花」の成立―福永武彦の履歴/田口 耕平 ![]() ![]()
![]() 書影付き著作データに以下の資料を追加しました。 ◇「福永武彦詩集」写真版2部本 :掲載ページ New! 先日、懇意の古書店より連絡を受け、市場に福永武彦の面白い資料が出ていることを知りました。「福永武彦詩集」自筆ノオトの白黒コピーを大学ノートに1ページごとに張り付け、巻末には印刷した奥付が添附され、源高根宛の福永自筆識語が入っている2部本とのこと。存在は以前より知っていましたので入札を依頼したところ幸いに落札できました。 元となっている福永自筆の詩集というのは、『時の形見に』(白地社 2005.11)に写真版で紹介されているノートとはまた別の中判の大学ノートに記されたもので(1943年に清書されたもの)、収録詩篇も多少増えています。 奥付と福永識語により、このノートを作製したのは源高根氏であることがわかります。源氏はたえずこの写真版を参照し、岩波書店版『福永武彦詩集』校異への疑問を熱の籠った論文として纏めた際に参照したのもこの2部本です。 表紙、本文、奥付画像を掲載します。書影クリックで拡大画像にリンクします。 ![]() ◇「小説風土」(完全版)(決定版)(新潮文庫版):掲載ページ 書影クリックで拡大画像にリンクします。 ![]() ◇第212回例会 日時:2025年7月27日(日)13時~16時半 zoom開催 内容:『夢百首 雜百首』 を愉しむ 【発言要旨】順不同 Ki氏:「夢百首」についての感想 1974年9月から翌年2月までの間に作られた短歌90首より成る。 当時、小説を書く体力・気力が乏しかった福永は、短歌ならばと漱石の「夢十夜」の短歌版の創作を目論んでいたのではなかったか。しかし、当初は夢に因んだものでまとめるつもりだったが行きづまり、”夢より現のほうに歩み寄ることになった”とある。 結局、90首中、夢に関連したものは18首に留まり、冒頭の夢7首の充実ぶりから想像するに、書名通りの「夢百首」が実現していたら、詩・小説と並び、短歌も福永の主要創作に連なっていたかもしれない。 夢関連以外の題材では、福永本人と夫人が病がちだったことで、病院・病関連の作が13首、寝床に伏せていることが多かったことで、聞こえてくるものを取り込んだ作が28首を数える(虫の音:12首、鳥の声:3、風の音:2首、歌・ラジオ・レコード:11首)。 Mi氏:『夢百首 雜百首』(1977.4)について 1. 創作時期 歌の創作時期を、詩や小説の刊行時期と絡めて確認したい。 『福永武彦詩集』枡型版:1973年8月刊行。 ※詩集の決定版。 『福永武彦全小説』刊行:1973年10月~1974年8月。 この「全小説」は、各巻「序文」を草するだけでなく、本文に入念な最終的手入れを施した。この後に刊行された『死の島』新潮文庫版、限定本『夢みる少年の晝と夜』、さらに準備途中で亡くなった限定本『未来都市』を除いて、福永が生涯に完成した小説の決定版が「全小説」である。 これら、詩と小説の刊行時期を念頭において『夢百首 雜百首』を考察することが必須である。 「夢百首」創作:1974年9月~1975年2月 90首 自らの文業の中心たる詩集決定版と小説集成を刊行し終えた時点。つまり、この「夢百首」を創作する際には、詩人、小説家としてはひと段落した、という思いは強かったろう。 同発表 :「海」 1976年3月号 10数年以前に、この手帳型自筆草稿は古書市場に流れている。1ページに3首で30枚。 これに対して、「雜百首」にまとめられた作品は、戦時中からの30年間に創作されたものである。 「雜百首」創作:1944年~1972年 75作品(句・歌・律詩) 押韻定型詩を創作していた時期以降、「全小説」刊行以前までの作品。 2. 短歌と詩篇 福永は、小学生時代に『啄木歌集』に親しんでいたが、青春の時期には、乱読した詩歌集の中でも、日本語では、朔太郎と並んで茂吉を特に愛読した。麻装の改造文庫『朝の螢』の茂吉自筆署名本を葛巻義敏からもらって、「天にも昇る心地がした。その時以来、この一冊の文庫本ほど、私のポケットに馴染んだ本はほかにない」(『秋風日記』「朝の螢」)。 1942年10月に秋吉利雄の養子になっていた実弟、文彦を亡くした後、盲腸炎で小石川の帝大分院に入院、12月7日に退院した。その23日に横須賀の東部第75連隊に出向くも、即日帰郷(盲腸炎の手術直後で傷癒えず)。翌1943年、年頭より茂吉歌集を熟読し、連作「別離薄暮」38首を創作し、それを病院で出会った看護師に捧げた。 しかしいま、私が注目するのは、次の言葉である。 >私たちは茂吉の歌を詩として讀んだから、北原白秋や萩原朔太郎などと、ことさら区別する必要を認めなかった(「朝の螢」)。 ![]() 当時、マチネ・ポエティクの集まりを持っていた福永だが、高等学校時代からそれまではもっぱら抒情詩を書くことで、魂の中を吹き過ぎていくごくかすかな風のような気分、感慨を定着していた。その福永にとって、茂吉の歌も、その魂の表白として、特別に白秋や朔太郎詩篇と区別していなかったということで、私は最初この部分を眼にしたときに強い印象を受けた。 これと同じ視点で見ると、半年ほど集中して創作した「夢百首」90首も、56歳の福永にとっては、ことさら詩篇と区別した短歌ではなく、「詩人、小説家としてひと段落した時点での感慨」を持って、一人の文人たる自らの気持ちを表白したものが自ずから歌の型になったもので、心身の状況に拠っては、詩篇になり得たかもしれない。ただ、当時の福永はすでに、詩篇を幾篇か創造する状況(身体的、精神的)にはなかった。 「夢百首」創作の翌年、1975年11月に最後の詩篇「櫟の木に寄せて」一篇を「文藝」に発表するが、言ってみれば、この一篇が、90首で終ってしまった「夢百首」の続きだったのだろうと私は思う。 ※福永は釈迢空も会津八一も好きだし、戦後では塚本邦雄ほかの前衛短歌も好んで読んだ。しかし、「夢百首」が誰風だという解釈には立ち入らない。それは読者の自由だ。 3. 一首 「混沌より潮泡<しおなわ>の如く浮かび出でまた混沌へ戻るなるべし」 この歌は、「夢百首」創作時の心境をもっとも直截にあらわした歌だろう。 『獨身者』(1975.6)26部本の扉前にペンで記されたこの歌では、「潮泡」に<しほなだ>と読みをふってあり、「夢百首」自筆草稿を見ると、こちらでも<しほなだ>であって、刊本でのみ<しおなわ>である。 構成を見ると、刊本では冒頭から「前生」として7首収録され、その後に「やぶきり」7首が続くが、(自ら右上にナンバーをふってある)草稿では、冒頭に「夢四首」として「何ごとか~」までを記し、次に「成績」2首がきて、そして「やぶきり」7首が続き、その後に<「前生」三首(夢)(「夢」のあとに續く)>として「先の世の~」から、「混沌より~」の(冒頭4首に続くべく)3首が記されている。 ただし、「前生」のほかの歌がすべて1974年9月に創作されているのに、最後のこの歌だけは、<十二月十九日>と創作月日を記してあるごとく、この歌のみ後から創られ、「前生」の最後に置かれた。 いったい、この後にどんなfictifな歌を詠みえただろう。 ![]() 1975年の2月に「夢百首」を90首創ったあと、福永が注力したのは、その夏から描き始める草花の写生である。電子全集第20巻の「解題」に、私は以下のように記した。「体調の都合で自由に出歩くこともままならなくなっていた福永が、紙面に可憐な草花の姿を出来る限り精確に写さんとする手業を通して、生の息吹を感じ取り、草花と自らの生をひとつの世界として定着した作品である。謂わば生の証と言える。草花の姿を描くだけでは足りず、「草花同定帖」のような、各種の植物図鑑と首っ引きで時間のかかる絵に集中し得たのも、見た眼だけでなく、草花の生の実相に迫りたいという衝迫があったからだろう」。 この視点はいまも変っていない。もちろん、草花の写生と同時に歌や句を創って欲しかったし、いくらかは手帖などに記されているだろうが、纏まった作品はない。 なぜ、ないのかを問うよりも、残されている(スケッチを含めた)種々の作品をいまは味わいたいと思う。 A氏:福永武彦色紙・本の識語にみる短歌、俳句、詩一覧 本資料は、研究会員限定公開 ◇過去の例会報告 例会報告のページをご覧下さい。 ![]() |
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