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書影付き著作データ (3)評論 |
【 掲載書影・データ 】 ・1946・文學的考察(1947) ・ボードレールの世界(1947) ・ゴーギャンの世界(1961) ・藝術の慰め(1965) ・福永武彦作品 批評A(1966) ・福永武彦作品 批評B(1968) ・意中の文士たち・意中の画家たち(1973) ・内的獨白(1978) *画像クリックで拡大画像にリンクします。 |
□1946・文學的考察 中村眞一郎・加藤周一共著 1947.5.31 ○異装2版(左) 初版(右) (右)初版 眞善美社 85円 秀英社・A5判・紙装・カヴァ・262頁 * 福永執筆分は「文學の交流」「ダンテの『地獄』と僕たちの地獄」「二つの現實」「二人の復員兵-モンルランとドリュ-」「ボオドレエル的人生」「作家と行動」「ジャン・ポオル・サルトルとジョン・ドス・パソス」「オイヂプスの運命」「人間の發見」所収 「題言」1947年2月,装幀・カット 故六隅許六 (左) 同異装2版 1948.10.15 眞善美社 220円 竹田印刷・157×218 フランス装アンカット・帯・アプレゲール通信付・262頁 元版題言に「再版の序」(48年秋)を追加 初版とは異装 装幀・カット 故六隅許六 同書の初版はいまでも比較的入手が容易であるが、むしろ異装2版が見つからない。 加藤周一の筆になる(と思われる)「再版の序」には「我々は、戦争の四年間の悪夢から、我々自身も、又おそらく日本の社会もさめきつてゐなかつた一九四六年にこれらの試論を書いた。戦後第一年の混乱は、そのまま我々の貧しい文章にも反映してゐる。そのある部分は古びた。しかし他の部分には、戦後三年の今日も、いくらかの意味があると我々は思ふ。」とある。 |
○文庫版 |
□ボードレールの世界 ○講談社 元版 「ボードレールの世界」 講談社元版 1982・12・17 講談社 2800円 信毎書籍印刷・A5判・丸背茶布装・函・帯・326頁 「序」、「福永武彦におけるボードレール」・「校訂についての覚書き」豊崎光一,装幀 菊地 薫 福永のボードレール関連の解説・エッセイ・随筆の集大成。 |
○文庫版 「ボードレールの世界」 講談社文芸文庫版 1989・1・10 講談社 740円 豊国印刷・文庫判・紙装・カヴァ・帯・344頁・500円 *「ボードレールの世界」「ボードレエル詩鑑賞三篇」「『先の世』註釈」「詩人としてのボードレール」「ボードレール的人生」「ボードレール年譜」所収 講談社元版より以上の6篇を選ぶ 「著者に代わって読者へ」福永貞子,「解説」豊崎光一,「作家案内」・「著書目録」曽根博義 |
□ゴーギャンの世界 ○元版 「ゴーギャンの世界」元版 1961・7・5 新潮社 700円 二光印刷・A5判・丸背厚紙装,背クロス・函・帯 324頁(他に圖版30頁,「年表」と「文獻目録」で43頁) *近親者だけに配付した30部限定の「別刷後記」(3頁)あり(全集第19巻に附録として収録) ○同 文芸文庫版 1993・1・10 講談社 1280円 豊国印刷・文庫判・紙装・カヴァ・帯・451頁 *元版より「ゴーギャン年表」「主要絵画作品表」「文献目録」は割愛 「解説」菅野昭正,「作家案内」粟津則雄,「著書目録」曽根博義 註)画像、献呈先の前川康男は、福永が『ゴーギャンの世界』を執筆している際の担当編集者の1人。もともと児童作家志望で、新潮社を退社して後、多くの著作がある。 |
(前川康男宛 献呈・後書き) |
□藝術の慰め ○元版 「藝術の慰め」元版 1965・5・12 講談社 1800円 図書印刷・A5判・厚紙に和紙貼装,丸背革・函・帯・286頁 「後記」1965年4月,「福永武彦著作目録」,著者自装,レイアウト 稲垣行一郎 |
○新装版 |
「藝術の慰め」新装版 1970・11・28 講談社 1800円 図書印刷・A5判・丸背布装・函・帯・285頁 「後記」は元版と同一 著者自装.レイアウト 稲垣行一郎 同新装2版 1979・2・26 同社 2500円 図書印刷・新装初版と同判,同装幀 「第三版後記」 1979年2月,著者自装,レイアウト 稲垣行一郎 新装2版は、新装版と同装幀。 「第三版後記」には「(元版の)装幀の箱の色が気に入らなかったので再販の出るのを待望していた」「自分では気に入った本の一冊で、人が病床にあると聞くと、この本をお見舞いの代りに贈ることにしていた」「私は永遠の悦びである藝術について語った」とある。 内容は言うに及ばず、装幀の豪華さを勘案すると、現在の市場価格800円~4000円前後は極めて安い。 |
□福永武彦作品 批評A 限定版 |
「福永武彦作品 批評A」 限定500部 1966・5・20 文治堂 2400円 大日本印刷・A5判・厚紙装,丸背革・函・番号入・450頁 外国文学関係のエッセイを収録 「序」1966年1月,「掲載誌ノオト」源高根 |
□福永武彦作品 批評B 限定版 |
「福永武彦作品 批評B」・限定500部 1968・10・30 文治堂 3200円 大日本印刷・A5判・厚紙装,丸背革・函・番号入(読者書き入れ)・456頁 日本文学関係のエッセイを収録 「序」1968年8月,「掲載誌(紙と印されている)ノオト」源高根 福永において、エッセイと随筆とは明確に区別される。エッセイのみを集めた著書。腹案では、文治堂から他に小品集や随筆集を刊行するつもりであった。今でも、この「批評A・B」でしか読めない一文もあり、研究上には不可欠。 批評Bに写っている紙片には「現行の販売機構のもとでは同一番号をお届けすることは不可能ですので、第二回配本以降は読者の手で番号を御記入下さい」と記してある。この紙片はなくとも完本。 500部本は入手容易なので2冊揃で2万円~4万円だが「著者承認済限定番外200部教課用特別本」は部数の割りには市場に出てこない。「著者家蔵本26部」(総バックスキン装)は稀覯本で、市場価格は25万円前後する。 □意中の文士たち・意中の画家たち ○限定版 |
「意中の文士たち・画家たち」限定250部 1974・2・25 人文書院 35000円 内著者本7部(1~7) ・「意中の文士たち」 上,内外印刷・B6変型(143×180)・丸背濃紺総小牛皮装・番号,毛筆署名入・271頁 下,内外印刷・上と同判,同装幀(番号,署名はなし)・307頁 ・「意中の画家たち」 内外印刷・B6変型(143×180)・丸背純白総山羊皮装(番号,署名はなし)・185頁(他に別刷「単色版」16頁,「原色,単色版目録」1頁,「初出一覧」1頁)・3冊揃って布貼函入・ダンボール外函 * 各々内容は元版に同じ 掌になじむ版型で、限定本は吸い付くような子牛皮装幀が愛書家の心をくすぐる。この著書の刊行あたりから、福永はグッと文人意識が強くなり、造本にも一段の拘りを見せるようになる。 |
○元版 ・「意中の文士たち」 上・下 1973・6・20 人文書院 各980円 上,内外印刷・B6変型(140×180)・丸背小豆色布装・函・帯・271頁 *鴎外・漱石・荷風・潤一郎・龍之介・康成・基次郎・敦についてのエッセイ 「序」1973年4月,「初出一覧」,題字 著者 下,内外印刷・上と同判,同装幀・307頁 *朔太郎・犀星・辰雄についての作家論 「序」1973年4月,「初出一覧」,題字 著者 ・「意中の画家たち」 1973・7・30 人文書院 1300円 内外印刷・B6変型(140×180)・丸背小豆色布装・函・帯・185頁(他に別刷「単色版」16頁,「原色,単色版目録」1頁,「初出一覧」1頁) * 鹿之助,魁夷,ゴッホ,ゴーギャン,ボナール,ルドンについての随筆 「序」73年5月,題字 著者 |
□内的獨白 「内的獨白」 1978・11・10 河出書房新社 1500円 多田印刷・46判・丸背紺布装・函・帯・272頁 「後記」1978年9月4日、信濃追分にて,「追記」1978年9月24日、軽井沢病院にて,装幀 著者 函は玩草亭主人の草花スケッチ。自筆題字。文人福永の姿勢が造本にまで貫かれている考証随筆。この随筆を執筆中の福永の脳裏には、鴎外の史伝3部作がよぎっていたのではないか。 |
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