福永武彦編『萩原朔太郎詩集 銀河選書15』 1964・11・25 大和書房 420円 東洋印刷・154o×112o(縦×横) 
   角背布装・函・カヴァ・224頁+「父と端唄―思い出―」萩原葉子(5頁)+「解説」福永武彦9頁


 当書刊行時に、朔太郎詩集の定本とされていた新潮社版『萩原朔太郎全集』第1巻は、全て初版本を底本としていたのに対し、朔太郎の場合、詩篇への手入れは「充分に作者の詩的推敲を経て、謂わばより濃密な詩的凝縮を示していると思われる」という理由から、福永は、初版本ではなく各々その手入れ後の詩篇(例えば『青猫』でなく『定本青猫』を、『純情小曲集』ではなく『氷島』)を底本として採っている。この編集態度は見事な見識であり、賛同できる。書影は、扉(右)と函カヴァ(左)。